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「和食」と「コーヒー」の相性。

 先日、ある方から、こんなことを聞かれました。「土居さんは、和食の後でも、コーヒーを飲むのですか?」わたしは答えました。「和食であっても、食後はコーヒーを飲みますよ」。

 そう答えると、とても驚かれました。一般的に和食の後、コーヒーが出されることは、違和感を持たれるようです。

 では、和食とコーヒーは相性がよくないのでしょうか。結論から言うと、その銘柄のコーヒーの味によって、相性は変わってきます。

 言うまでもありませんが、コーヒーは欧米の食文化から来た飲み物です。欧米の食文化では、ワインやチーズに代表されるように、「酸味」が高く評価されます。また、イタリア料理や、フランス料理では、当然のように、食後にコーヒーが出ます。これらの料理では、油脂分が多いものが多い。ですから、「酸味」がより強く、特徴がある銘柄が料理との相性が良い、ということになります。焙煎における味作りも、酸味がより引き立つよう仕上げていくことになるのです。

 しかし、より「酸味」を強調して作られたコーヒーの味わいが、日本の「食」との相性を考えるとどうか。当然、相性がいいかどうかは、個人の「好み」が大きく影響しますが、日本は、「酸味」をより高く評価する食文化ではない、ということは事実です。

 土居珈琲のコーヒーは、「飲みやすく、さっぱりとした味わい」と評価されることが多くあります。また、はじめてブラックでコーヒーが飲めた、というお声もよくいただきます。これは、コーヒーにおける味作りの重点を、その銘柄のもつ、素材の「甘み」に置いているからです。買い付ける銘柄も、その豆がもつ自然な「甘み」を有しているかどうかを見て、決めることが多い。

 そして、料理と飲み物。双方ともに、素材の「甘み」を生かしたものではあれば、その相性は良くなるはず。そうした考えをもってコーヒーの味作りをしているのですから、和食の後であっても、コーヒーを飲むことは、わたしにとっては、とても自然なことなのです。