小さな焙煎 土居珈琲

お客様に会いに行きました

コーヒーをお客さまが楽しむ時間、そして共に過ごす毎日。そこには、お客さまそれぞれのエピソードがあります。初めて召し上がっていただいたきっかけや、ご感想をお聞きしたくて、土居珈琲 土居陽介がお客さまにインタビューしました。

第九回

玉置 悌助 さま(埼玉県)
(2020/09 取材)

- 今回、お電話にてインタビューさせていただいたのは、埼玉県にお住まいの玉置悌助(たまき ていすけ)さま。長きにわたり、ご愛顧いただいております。玉置さまには、土居珈琲を見つけていただいたきっかけなど、お話をお聞かせいただきました。

「一番印象に残っているのは、お父さまの写真です。あの顔がすてきだなと思ってね」

本日もすてきなお客さまから、お話をお聞かせいただける機会をちょうだいしました。玉置悌助(たまき ていすけ)さまです。玉置さまには、2014年からご縁をいただき、6年以上おつきあいいただいております。はじめて当社をためそうとお考えいただいたきっかけはどういったものだったのでしょうか。

メディアで取り上げられた記事を拝見したのがきっかけだったと思います。一番印象に残ったのは、あなたのお父さまの写真です。あの顔がなかなかすてきだなと思ってね。あの苦虫をかみつぶしたような・・・。信頼感を持ちましたよ。

注文した1杯のコーヒーを、いかに長くもたせるかということが学生時代の普通の姿でしたね。

玉置さまは昭和12年のお生まれとのことですが、当時の喫茶店における思い出はございますか。

もちろん。名曲喫茶というものが流行っていました。そこでクラシック音楽を聴きながら、注文した1杯のコーヒーを、いかに長くもたせるかということが学生時代にあった普通の姿でしたね。あのころは名前入りの灰皿を持ち帰ってくるのが流行っていて、たしか、30〜40枚集めた記憶があります。

玉置さまはどのような音楽がお好きだったんでしょうか。

わたしが好きだったのはクラシックで、モーツァルトが一番好きでした。わたしは中学・高校と音楽部にいました。中学時代、同級生に橋本龍太郎くんがいましてね。彼は剣道部の部長でしたが、わたしは音楽部の部長をしていました。

休日は、教会の日曜学校に行って、礼拝で賛美歌を歌う。その後、聖歌隊に入りました。社会人になってからは商社に勤め、神戸に赴任しました。そこで土曜会合唱団に所属し、東京に戻ってからは、会社のコーラス部に入っていました。そして、今でも音楽を続けているというわけです。

学生のころにたしなんだことを、社会人になってからも続けるというのは、むずかしいことだと思うのですが、何か秘訣(ひけつ)はございますか。

わたしは20代のころ、総合商社に勤めていましたが、30代で教員になりました。当時、子どもたちの卒業文集で、「一生続けられるスポーツと、何か1つ楽器を身に付けなさい」と、いつも書いていました。書いた者の責任として、今でもそれは自分自身で続けているというわけです。

「待つ」ことが、むずかしい。

コーヒーを作ることと同じくらい、人を育てるということはむずかしいと実感しています。ご経験のなかで、人を育てることについてアドバイスをいただければ幸いです。

教えるということは、矯正するということではなく、「観る、待つ、助ける」だと思います。「観る」は観察です。「待つ」は、人の成長を待つ。そして「助ける」は手助けをする。これが教育の基本だと、わたしは思っています。人はそれぞれ個性がありますから。

3つの中で、どれがもっともむずかしいとお考えですか。

「待つ」ことですね。待ちきれなくて、つい口を出してしまう。もちろん、早く助けた方がいい場合もありますけれど、なるべく手出しをしないで、ひとりひとりの個性を見極める。それから手助けをするというのが、一番大切だと思います。

土居珈琲のいいところ

わたしが考える土居珈琲のいいところをお伝えします。まず、袋のデザインがいい。それと、袋に貼ってあるレーダーチャート。あれが、大変わかりやすい。コーヒーを保存する缶に、レーダーチャートを全部貼り替えているのですが、きれいにはがれるから、ぽんと貼れる。そのレーダーチャートを見ながら、「これは苦味が強いな」とか、「酸味が強いんだな」と思いながら楽しんでいます。

ときどき、酸味の強いものと苦味の強いものとを混ぜて楽しんだりもしています。今朝、飲んだのは、8月に送っていただいた、「インドネシア ママサ スラウェシビーンズ」です。これは苦味が強い。そして、「ホンジュラス ラス・クチージャス農園」は酸味が強い。2つを1対1で混ぜてみたら、予想以上においしかった。

当社のコーヒーが、玉置さまの生活のなかにしっかりと存在していることがわかり、とても励みになりました。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、まことにありがとうございました。

これからもがんばっておいしいコーヒーを届けてください。

玉置悌助さま

玉置 悌助 さま

たまき ていすけ

30代から教員になり、一線を退く前は小学校の校長先生として務めておられました。現在は、地域の自治会長をされており、地域活動に携わっておられます。趣味のテニスを50年以上続けているだけでなく、合唱やアルトサックスなど、多彩な趣味をたしなまれています。

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