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土居陽介の『お客さまに会いに行きました』

コーヒーをお客さまが楽しむ時間、そして共に過ごす毎日。
そこには、そのお客さまだけの「物語」があります。

高校の英語教員として、おつとめだった中島さま。当時の教育現場や、生徒との向き合い方など、貴重なお話をお聞かせいただきました
高校の英語教員として、おつとめだった中島さま。当時の教育現場や、生徒との向き合い方など、貴重なお話をお聞かせいただきました
第二十回
中島 英輔さま(静岡県三島市)

本日お話をお聞かせいただくのは、中島英輔さまです。
お住まいの静岡県にやってまいりました。
中島さまから、最初にご注文をいただいたのは15年前。
あらためて、いつもご愛顧ありがとうございます。

いや、はるばるわざわざおいでくださいまして。

なにをきっかけに当社をためしてみようとお考えいただいたのか、ご記憶はございますか?

いや、覚えてないよ。もう、何せ15年前だもん。でも、あっという間だね。まだ、数年ぐらいの感覚。でも、ちょうど仕事を辞めた年だね。

シニアクラブの会長をやることになってしまった。

仕事を辞めてから、新たに何かをやろうとお考えだったのですか?

どこか海外にロングステイしたいと思っていた。ニュージーランド、カナダとか。僕はアメリカが好きだから。どこか別の国に住もうと計画を立てていた。

だけど、その時に、町内会の会長の順番が回ってきてしまった。「できないです」と言ったのに粘られて、僕が折れちゃった。

嫌々ながら町内会長を引き受けたのが運の尽き。それから12年間、シニアクラブの会長をやっている。それが僕の運命を変えた。

土居珈琲を楽しむようになったのと同時に、シニアクラブの会長をやることになった。年金生活でこういうぜいたくなものを飲んじゃいられないから止めなきゃなと思いつつ、
おいしいから、もう1回、もう1回が止められなくて。今では、朝にこのコーヒーがないと僕は駄目になってしまった。

うれしいです。最初にコーヒーを飲みだしたきっかけはどういったことだったのでしょうか?

大学時代からだね。音楽喫茶が好きだった。僕が通っていた大学は渋谷だった。そこに「ライオン」という名のクラシック喫茶店があった。そこに通うようになってからコーヒーを少しずつ飲むようになった。妻も渋谷の大学に通っていて、そのとき知り合った。

あら、すてきな。

僕の授業は、最初に英語で歌う。まず歌うわけ。

かつて、前職は何をされていたのでしょうか?

38年間、高校の英語教員をやっていた。

ご苦労が多かったのではないですか?

それなりに苦労はあったよね。ただ、僕がつとめたのは私立の高校。私立の学校っていうのは、公立にないことができるわけ。だから、自由に好きな発想でやりたいことができた。公立の学校だと教育委員会との関係もあって、国からの指導にしばられてしまう。

僕は「公立と同じことをやっていたら生徒の英語力は伸びない」と考えた。だから、授業はぜんぶ英語で話をすることにした。

なんと最先端な。

今は珍しくなくなってきたけどね。いきなり英語で授業をやるから、外国人が必要。だから、アメリカ人の先生が校内にたくさんいた。

幼稚園の頃から英語教育をはじめる。その教育方針が、中学、高校へとつづく。はじめた頃は、全国から先生方が見学に来ていた。

踏み切るのはたいへんだったんじゃないですか?

たいへんだった。だけど僕は、そういう授業が好きだった。教科書で文法や公式を学ぶ授業をするのが嫌いで。教室で黒板に文字をたくさん書いて、文法とか主語、述語とかやっていても、英語は上達しない。僕の授業は、最初に英語で歌う。まず歌うわけ。

日本語は使わない。高校1年生の生徒は、慣れてないから、さっぱり分かんないといって怒ってくる。ところが、1学期が終わる頃になると、抵抗がなくなっていく。

当時から日本語は使用せず、英語のみで授業をされていたと話す中島さま
当時から日本語は使用せず、英語のみで授業をされていたと話す中島さま

たいせつなのは、授業に興味を持つようにすることだね。

自身が英語を学ぶのと、教えるというのは、また違う話だと思います。最初に中島さまが考える英語の授業をしようと考えた時、ご不安はなかったんでしょうか。

大いにあった。日本の入試制度は、まず書くからはじまる。今では、スピーキングやヒアリングにかなりウェイトを置くようになったけど、当時は聞いたり話したりのチェックはほとんどない。

僕がやっていることは大学入試では通用しないという反対がだいぶあった。

どう乗り越えたのでしょうか?

しょうがないから、授業のなかで時々、文法を入れた。でも、たいせつなのは、授業に興味を持つようにすること。子どもは歌を歌うのが好きだからね。リズム感もある。英語の歌を覚えれば発音もよくなるし、聞く力も伸びる。

教科書を文字通り読んで、内容を理解することは、レベルが高いから非常に難しい。だから、つまんなくなる。結果、英語を嫌いになる。

僕は、授業で絵とか図を使った。前もって用意しなくちゃいけないから1回1回の授業がすごくたいへんになる。準備に時間がかかるんだよね。

用意した絵を黒板に貼り付けて、紙芝居みたいにやっていく。これは手間が掛かるけど、授業が非常にスムーズに進む。ストーリーがあるから頭に入るんだね。

斬新だったし面白いから、生徒が食いついてくる。教科書をただ読んで、日本語に訳してじゃあつまんない。準備したものが1回しか使えないからたいへんだったけど。

だから、忍耐と我慢がいるわけさ。

教える秘訣というのはありますか?

教えることは難しい。強制的に教えようと思わない方がいいんじゃないかな。どうしたら向こうから興味を持ってくれるか。食いついてくれるかが重要。

こっちが教え込もうとしちゃ駄目。一緒にやってみよう、一緒に学ぼう。そういうスタンスの方がいい。遠回りかもしれないけど。

難しいですよね。教える側にも欲がありますから。

だから、忍耐と我慢がいるわけさ。

貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。たいへん楽しい時間でした。これからもよろしくお願いいたします。

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