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「ペーパーフィルター抽出」のコツ、お教えします。

今週は、お客さまよりご質問をいただきました、『ペーパーフィルター抽出のコツ』についてお話します。

今回、一杯分のコーヒー抽出を基準としてお話していきます。
【一杯分のコーヒーの粉とお湯】
コーヒーの粉=10g
お湯の量=160cc

まず、少量のお湯を、サーバー上のコーヒーの粉ににじませるように落とし、それから数秒置きます。「蒸らし」という作業になります。

この「蒸らし」をすることで、コーヒーの粉の成分が、より抽出されやすくなります。この時、「置く」という感覚で静かにお湯を注いでください。

コーヒーの粉全体ににじませるように、少量のお湯を落とし数秒置きます。「蒸らし」という作業です

この「蒸らし」作業をおこなってから、3回にわけてお湯を注いでいきます。

まず、一投目の注湯です。抽出する量のお湯の約60%(=約100cc)を注いでください。ポッドから落とすお湯が、できるだけ“細く”なるように、そっと注いでください。
そうすると、コーヒーの粉が最高点に行きつきます。それからは、真ん中部分よりすり鉢状に粉が落ち込んでいきます。

コーヒーの粉が最高点から見て、30%ほど落ち込んだのを見て、最初の最高点に合わせるように、二投目のお湯を注いでいきます。第一投目のお湯の量より、少しだけ“太く”して落としてください。

つぎに、コーヒーの粉が、最初の最高点より10%ほど落ち込むのを見て、また最高点に合わせるように三投目のお湯を注ぎます。二投目より、お湯の量を太くして落とします。

この時、フィルター周辺にできた粉の層をくずさないように、中心に「の」の字を描くように、お湯を注いでください。

この時、必要量のコーヒーを抽出したのであれば、上部ドリッパーにお湯が残っていたとしても、ドリッパーを取り除いてください。最後の一滴までコーヒーの成分を抽出しようとすると、エグ味まで抽出されてしまいます。

お湯はポッドに8割以上入れてください。


「ペーパーフィルター抽出」にて、上手くたてるためには、落とす湯量をよりコントロールする必要があります。ご家庭にある“やかん”は口が太いため、湯量の微妙なコントロールができません。そのため、お湯の注ぎ口が鶴口状になっている、細口ケトルが必要になってきます。

この細口ケトルは使い方に、ふたつコツがあります。

まず、ケトルにはたてる杯数にかかわらず、8割以上の容量のお湯を入れてください。8割以上のお湯を入れると、軽く傾けるだけで細い量のお湯を落とせます。入れているお湯の量が少ないと、ケトルを大きく傾ける必要が出てきます。

親指はグリップに対して平行に


ふたつめのコツは、グリップの持ち方です。親指をグリップに対して平行に置き、グリップをつまむように持ちます。グリップに対して親指を垂直にして持ってしまいがちですが、これでは細口ケトルを上手く使えません。

今回「ペーパーフィルター抽出」の原稿を改めて書きながら、昔、父 土居博司に言われた言葉を思い出しました。

一昔前、わたしが書いた「ペーパーフィルター抽出」の原稿を見て、父は一言、こう言いました。
「どんな方法でたてても、美味しくたてられるコーヒーを作ったらええだけや」。

ソンナ、アナタ、ミモフタモナイコトヲ…。