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土居珈琲ライブラリー > > 「焙煎釜の構造」と「感覚」

焙煎度合いを見極めるために  自動車を運転する人は多いでしょう。でも、車の動く仕組みを理解して運転している人は少ないのではないでしょうか。もちろんですが、その仕組みを理解していなくても運転はできます。

 しかし、コーヒーを焙煎する人間は、「焙煎釜の構造」を理解していなければなりません。 それは、わたしの経験から学んだことです。

 コーヒーを焙煎する道具に焙煎釜があります。 単純に焙煎するだけなら、車と同じように動かすことはできますが、 「焙煎釜の構造」を理解することなく、焙煎の品質を上げることができるのか。

 わたしは、焙煎をはじめた当初、焙煎釜の構造を理解していませんでした。 車を動かす感覚で、コーヒーの焙煎にあたっていたわけです。
 当時、焙煎していると多く壁にあたりました。 そのひとつに、焙煎度合いの変化に追いつけないということです。 焙煎度合いは、数秒で変化します。 その数秒の違いを、頭で考えていては追いつけません。
 焙煎度合いを見ながら、考えるよりも先に体を動かす。 そのためには、「焙煎釜の構造」をしっかり把握する必要があったのです。 それは、感覚だけで焙煎していても、 なにひとつ向上することはないということを学べた貴重な体験でした。

 では、「感覚」は、必要ないのか? 当然そうではありません。「感覚」も重要です。
 例えば、焙煎釜にはシャフトという部品があります。 そのシャフトにつながる部品に、ベアリングがあります。 シャフトとは、わかりやすく言うとコマの軸にあたります。 シャフトが中心軸で回転しなければ焙煎釜は滑らかな動きをしません。 少しでも中心軸が外れれば、そのズレがどんどん大きくなっていきます。

 このシャフトにつながるベアリングが滑らかな動きをしてはじめて、 焙煎釜の回転は安定します。 その結果、コーヒーの焙煎も安定し焙煎の品質を上げることができます。
   このシャフトとベアリングをつなぐ感覚は、知識だけでは説明できません。 抵抗なく回転しすぎてもダメですし、きつすぎてもダメです。 絶妙なバランスが重要です。 このバランスは、自分の手で組み立て、 焙煎釜を動かした実体験からくる「感覚」でしか理解できません。

 「焙煎釜の構造」と「感覚」。

 コーヒーの焙煎は、いろいろな積み重ねが大切です。 その結果、焙煎の品質を上げることができるのです。