「和菓子とコーヒーは相性がよい」と常々考えていました。
コーヒーは欧米から来た文化です。
ですから、いっしょに食するのはケーキなどが定番。
もちろん相性はいい。
この場合、ケーキがもつ強い甘みに負けない
強い苦味をもつ銘柄をあわせることが定番となります。
これは、ケーキで使われている生クリームなどの動物性の油脂分を
口のなかから流すことも目的としています。
“あんこ”は、植物からつくりだされるお菓子です。
上質なものほど、甘みを強く主張するのではなく
繊細さを感じさせてくれるものとなります。
強い苦味は、この繊細な甘みを打ち消してしまいます。
いっしょに楽しむことを考えるのであれば、
ワインのマリアージュのように互いのよさを
引き立て合うことから考えたい。
その考えから、おすすめしたいのが
「ブラジル アマレロ」です。
ボンジャルディン農園によってつくられた
「アマレロ種」という品種の銘柄。
通常、コーヒーの実は熟すと赤くなりますが、
この品種のコーヒーの実は、完熟すると黄色く染まります。
おすすめする理由は、この品種のもつ独特な甘みによります。
口にしたときに感じる甘みは、強く主張するものではなく
ほかの味わいをそっとささえ引き立たせる
“名脇役”を感じさせるものです。
その甘さと柑橘系のフルーツを感じさせるさわやかな酸味と
ともにほろ苦さが加わるよう、
深煎りの「フルシティロースト」で仕上げます。