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「完熟したコーヒーの実」

熟練した摘み手が必要  コーヒー農園のオーナーに「美味しいコーヒーを作り出すための大切な条件とは?」こう質問すれば、多くの農園オーナーは「完熟したコーヒーの実だけを収穫すること」。こう答えるはずです。ここで「だけ」と言いましたが、コーヒーの場合、この「だけ」が、とてもむずかしいのです。

 わたしたち日本人にとって収穫といってイメージするのは、お米でしょう。お米であれば機械で一気に収穫するので、稲穂につく米一粒の出来具合は、それほど大きくないのかもしれません。しかしコーヒーの場合、同じコーヒーの樹にできた実であっても、熟した実やまだ熟していない実もあります。そのため、機械で一気に収穫するというわけにはいきません。人間が目で見て熟度を判断し、丁寧に一粒ずつ手摘みで収穫していきます。

 完熟したコーヒーの実だけを収穫するには、熟練した摘み手の存在が不可欠です。収穫の際、技術の高い摘み手は、日本の大工のように指名されるほどです。

 ここまで読んで、「少しくらいの未成熟豆が混じっていても、それほど大きな問題にならないのではないか」。そうお考えの方もいるかもしれません。しかしそうではありません。完熟したコーヒーの実から取り出された生豆からしか、美味しいコーヒーはできあがらないのです。

 その理由は、未成熟豆を焙煎すると、「マイナスの味」を発するからです。「マイナスの味わい」とは、青臭さや口に残る不快な苦味といったもの。最高の品質の銘柄であっても、そこに未成熟豆が混じることで、そのコーヒーの味わいを、台無しにします。 ですから、完熟したコーヒーの実を収穫するということは、美味しいコーヒーを作るうえでとても重要です。

 収穫の時点から人間の手間なしに、最上のコーヒーの味わいは作り出せないのです。