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コーヒーのミルのちがいについて

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「豆のまま保存しておき、飲むつどに粉に挽く」。

美味しいコーヒーをたてようと考えたとき、コーヒーの「当たり前」です。この理由は、できるだけ手元のコーヒー豆が「酸素」、「光」、「水分」に触れないようにしたいからです。

上記の3つに触れる機会が多くなればなるほど、コーヒーの成分が劣化する速度は、はやまります。

豆の状態であれば、「酸素」、「光」、「水分」は豆の表面しか触れません。しかし、粉に挽くと一気に表面積が広がります。広がった分だけ、成分が劣化するスピードがはやまるというわけです。

ですので、コーヒーを焙煎するものとして、ご家庭でミルをご用意いただくことをオススメしています。
ミルに求める性能を一言で言うと、粉の粒の大きさが、均一に挽けることです。粉の大きさが不ぞろいであると、抽出する味にブレが生じます。

こうしたなか、家庭用のミルは、「手挽きミル」、「プロペラ式ミル」、「グラインダー式ミル」の3つのタイプに分かれます。

まず手挽きミルですが、こちらを選ぶ理由は、性能というよりも、器具自体の美しさにあると思います。その多くはハンドメイドです。国内産だけではなく、フランスの職人によって作られたものなども多く、その形は特徴的かつデザイン性にすぐれたものとなっています。

土居珈琲 創業者である土居博司は、こうした「手挽きミル」を数多くコレクションしていました。ですので、かなりの数の手挽きミルが、社内に飾られています(昔、『お客さまにご案内しようか』と父に提案したとき、烈火のごとく怒られました)。

粉の粒度の均一性から言うと、不ぞろいになりやすいので、こちらの手挽きミルでコーヒーを挽く際のコツは、一定のはやさで、ゆっくりハンドルを回すことです。

職人の手によって作られた手挽きミル。土居博司が集めた秘蔵のコレクション品です


次に、プロペラ式ミル。こちらはモーターに取り付けられた金属の歯が回転することで粉に挽いていきます。長い時間プロペラを回せば回すほど、粉の粒度が細かくなります。電動で動くため、手間がいらず価格も廉価です。ただ、とんかちでたたいて砕くようなものですので、デメリットは粉の粒度に、ばらつきが出ることです。


粉の粒度をそろえることから言うと、「グラインダー式ミル」が最適です。中にバーと呼ばれる歯の付いた2枚の円盤が内蔵されており、歯と歯の隙間を調整することで、粉の大きさが変えられます。

現在、お客さまにご紹介している、家庭用グラインダー式ミルは、カリタ社のものです。ご紹介している理由は、こちら製品の性能が高いことに加え、静電気防止機能があることです。

従来のグラインダー式ミルは、静電気が発生するため、ミル自体に粉が付着するので、ミルをブラシで拭いたり、メンテナンスが大変でした。こちらのミルは、ミル本体に粉が付着することが少なく、メンテナンスが、とても楽です。



コーヒーを飲むつどに豆から粉に挽くのは、コーヒーにおける「当たり前」です。ただ面白いのは当社のお客さまのなかには、ミルをお持ちでありながら、粉の状態をご指定いただく方もいらっしゃることです。

その理由をお聞きしたところ、「土居珈琲で粉に挽いてもらったコーヒーのほうが、たてたとき香りがたつ気がする」というものでした。

その理由は、ミルの違いにあるのかもしれません。
当社が用意しているミルは、ドイツに本社を置くマールクーニック社製のものです。創業80年以上の歴史を誇るマールクーニック社製のミルは、形は無骨ですが部品ひとつひとつを職人が手作業で組んでいく逸品です。

ドイツに本社をおくマールクーニック社製のグラインダー式ミル。職人の手によってひとつひとつの部品が組まれていく世界最高峰のものです

創業者の土居博司は、ミルを例にするように、自分がコーヒーを作るうえで使う道具は、相当なこだわりをもって選んでいました。父が選ぶ基準は、『その道具が職人の手によって作られたものであるかどうか』でした。

父は、極端にハイテクが導入された最新式のものを嫌っていましたので、土居珈琲の工房の中は、職人の手によって作られた道具にあふれています。

お客さまからのお話をお聞きすると、こうした職人の手づくりによって作られた道具を使って挽かれたコーヒーは、「飲むつどに豆から粉に挽く」というコーヒーの「当たり前」を、超えることがあるのかもしれないと思ったりもします。

ご興味がおありの方は、一度、粉の状態をご指定いただき、その香りの違いを比べてみてください。