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焙煎が、ぜんぜんちがう

いまから20年前。
わたしと父は、ご注文いただいたお客さまのためだけに、コーヒーをつくることに決めました。

そのために、まず、創業以来おこなっていた「業務用」のコーヒーをつくることをやめました。
やってみて、あらためてわかったことは、焙煎の形がまったく違うということでした。

業務用のコーヒーは、味の安定性に重点をおくため、ひとつの銘柄を、同じ焙煎度合いで仕上げていきます。
しかし、ご注文ごとに焙煎するということは、そのつど焙煎度合いを変えて仕上げていかなければなりませんでした。

焙煎度合いは「浅煎り」から「深煎り」まで、7段階あります。コーヒーは、その銘柄の持ち味が活きる焙煎度合いが、それぞれちがうからです。

お客さまからご注文いただくつどに焙煎をするために、小さな釜をえらびました。

しかし、そうした小さな釜は、風や湿気の違いで、火がおおきくぶれ不安定になります。
また、気温のちがいで、釜が温まるスピードも変わりますから、夏と冬とでは、焙煎を変える必要がありました。

コーヒー豆も、銘柄ごとに焙煎が進むスピードが違います。焙煎した後、豆の温度が下がると、色が変わる豆や、豆の“しわ”の伸びのちがいなど、細部まで把握していないと、なかなかうまく仕上がりません。

「いままでやってきた焙煎のやり方とは、考え方が根本から違う」。

そう考えたわたしたちは、お客さまからご注文をいただくたびに、立ち止まり、自分自身の頭で考え、試行錯誤を繰り返しながら、焙煎技術を積み重ねていきました。

いま、わたしたちは、お客さまのご注文ごとに、そのつど、その銘柄に合った焙煎度合いでコーヒーを仕上げています。

いままで、のべ1200種以上のコーヒーと出会い、焙煎に挑戦してきました。

豆の質が固いものや、やわらかいもの。当年収穫されたばかりの新豆や、古代から復活した原種のもの。

それら豆と対峙してきたことで、いまでは、生豆を見ただけで、それをどのように焙煎して仕上げるべきか、わかるようになりました。

でも、これは、まだまだ入り口だと思っています。