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その年にしか、つくりだせない味があります。

古来より続く伝統農法のひとつに、「天日乾燥」があります。
実から取り出した生豆を、太陽の光を使って乾燥させていくものです。

この農法では、まず、「パティオ」と呼ばれる場所に、生豆が広げられます。そのあと、乾燥ムラを生じさせないよう、人がそのつど豆を撹拌していきます。

雨が降りだした時は、いそいでシートをかけて豆が濡れないようにしなければなりません。水分が生豆にダメージをあたえるからです。

完成までのほとんどの作業で、人の手を必要とします。

この農法によってつくりだされるコーヒーは、個性の強い味わいをもつのが特徴です。

自然はコントロールできないので、味に安定性がなく、その年によって、生み出される味わいにちがいが生まれます。それは二度とたのしめないものです。

問題は、多くの消費国が、いつでも、どこでも同じ味であることを求めるため、近年、この農法はどんどん姿を消していることです。

たしかに、変化する自然の下でつくるより、コーヒー豆を工業製品のようにとらえて、大型ドライヤーなどの機械をつかってつくるほうがコントロールが効きます。味も安定するのかもしれません。

ただ、どんなにむずかしくなっていくとしても、わたしたちは、「天日乾燥」によってつくられたコーヒーを仕入れることにこだわりたいと考えています。

人間が思いどおりに動かすことができない、自然がつくりだした、二度とたのしめない味わいにこそ、重きをおきたいからです。