ワインでは、「ボルドー」と「ブルゴーニュ」が2大産地として
圧倒的知名度を誇っていました。
しかし、近年、アメリカ北部ナパバレーが、
高品質のワインを生み出す地として、評価を高めています。
同じ動きがコーヒーにもあります。
これから大きな期待をかけられている産地が「アフリカ」です。
多くの国が、豊かな土壌と降り注ぐ陽光、昼夜の寒暖差といった
高品質なコーヒーを生み出すための環境は、数多くそろっていました。
ただアフリカの多くの国が、紛争による国内情勢の混乱によって、
その潜在能力を発揮できない状況にあえいでいました。
しかし、ここ数年、政治的な安定を取り戻し、
経済発展に向けた歩みを着実にすすめてきた国がでてきました。
例えば、ルワンダは、1990年代の悲劇的な内戦から立ち直り、
政府と国民が一丸となって経済再建に取り組んだ結果、
コーヒー栽培の環境も向上。
生み出されるコーヒーの品質は、大きく上がることとなりました。
わたしがアフリカから届くコーヒー豆を焙煎して驚かされるのは、
それぞれの銘柄が強い個性をもっていることです。
たしかにブラジルをはじめとしたブランド国のコーヒー栽培の技術は、
昔と比べて格段に向上しました。
しかしながら、反面それぞれの個性は弱まり、
平準化したものが多くなったと感じていたからです。
ワイン同様、10年後はコーヒーの名産地としての地位は、
大きく変わっているのかもしれません。