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ブルーマウンテンなんて、美味しくない

ジャマイカ産“ブルーマウンテン”。
日本では高級コーヒーとして、高い知名度を誇っています。

ただ、残念なことに、ブルーマウンテンの品質は、
大きく劣化してしまいました。

ひとつは、流通における配慮のなさです。
温度コントロールがなされていないコンテナで輸送されることが
多くありました。

国内でおこった政情不安も品質劣化の大きな原因になりました。
経済政策の失敗から、治安が大きく悪化。安心がないなかでのものづくりは、
たいへんであったと予想されます。

リーマンショックのあと、高いコーヒーが売れなくなったこともあげられます。
倉庫で何年も置かれたブルーマウンテンが市場に出回ることもありました。

これらが重なったことで、
「ブルーマウンテンなんて美味しくない」
という声が聞かれるようになりました。とても残念なことだと思っています。

ブルーマウンテンにある品性を感じる甘みとほろ苦さ、そして独特な香りは、
日本人の食文化にあったものだと考えているからです。

この状況のなか、満足のいくブルーマウンテンを見つけだすことは
困難を極めていましたが、やっと納得のいく銘柄との出会いに恵まれました。

答えは、やはり小さな農園のものでした。むやみに規模を広げるのではなく、
自分のできる範囲をしっかり守りながら、そこで尽力する。
こういう人たちがやはり好きです。

豆質がやわらかいため、焙煎がとてもむずかしい。
判断に許される感覚は数秒。火加減の調整も、たいへんシビア。
また、釜から出して冷めたとき、色が変化する。
これは、ブルーマウンテンだけの特徴です。

焙煎するものとして、とてもてごわい相手でもあります。

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